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宮崎駿の信念 「この世は生きるに値する」

宮崎駿の引退会見の全文を読んだ。

http://news.mynavi.jp/articles/2013/09/07/miyazaki/

 

会見は9/6のお昼だったので、既に世間では語りつくされているだろうけど、

改めて一時代を築いた人の決断の重さに胸を打たれた。

 

いきなり、引退会見から話は飛ぶが、先日NHKスペシャルで「風立ちぬ」完成までのドキュメントが放送されていた。

企画から完成まで5年。題材は決まっててもストーリーも主人公のキャラクターも決まらないまま絵コンテを書き始める宮崎監督。

絵コンテはできたところからアニメーターに渡され映画ができていく。飛行機を作りたいという思いはあるが、人殺しの道具を作ったという呪いにどう回答するのか答えが出ないまま絵コンテを作り続けていく。

「面倒くさい」という口癖とともに机に向かい、作業が遅くなったと老いを自覚していた。

 

NHKスペシャルを見て監督がストーリーを考えながら自ら絵コンテ書いてるって映画の製作方法としては非効率なんじゃないのかと思ったのだけど、その理由が引退会見記事を読んで納得。宮崎監督は、自分はアニメーターであり、監督して嬉しかったことは一度もない。と言いきってる。

 

会見の中で一番心を打たれた部分は、「この世は生きるに値する」という言葉。

宮崎監督:僕は児童文学の影響を受けて業界に入った人間ですので、子どもたちに「この世は生きるに値するんだ」ということを知らせることが作品の根幹になければいけないと思っていて、それは今も変わっていません。

 

信念とはまさにこのこと。

自分も信念を持てるか、自分に問いかけながらこの世を生き抜こうと思った。