【小説】雨の季節に読みたい死神エンターテイメント「死神の精度」
「死神の浮力」の前作「死神の精度」
再読したくなったので、本棚から引っ張り出してきました。
死神の精度 (初出 オール讀物 2003年12月号)
死神対老女 (初出 オール讀物 2005年4月号)
共通的に出てくるのが死神「千葉」
調査部員として、調査対象の人間を1週間観察し、対象者の死を「可」とするか「見送り」を報告するのが仕事。彼が仕事する時は何故か雨が降り続けています。
会話のテンポに定評のある著者ですが、人間の当たり前が通用しない死神なので普通の会話もどこかずれており滑稽。そして、死神から見た人間の行動も相当に滑稽にみえており、寓話のような面白さがにじみ出ております。
また、「死神と藤田」は任侠映画、「吹雪で死神」は密室殺人ミステリー、「恋愛で死神」は甘酸っぱい青春もの、と色々な雰囲気を味わえるのがよいですね。
それぞれの章でのプロットだけでなく全編に渡る仕掛けがはりめぐされており、最後まで読んで伊坂幸太郎のプロットの匠さに改めて感服しております。
初期の伊坂作品は、小説間のつながりも多いことで有名ですが、
旅路に死神の1シーンに、「重力ピエロ」の春が出てます。(名前は出てないですが…)
小説の本筋を使いつつ再構成されており、小説とはまた違う話になっています。
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