【書籍】5年後、メディアは稼げるか
東洋経済オンラインの編集長に抜擢されページビューを10倍にした著者が語るメディアの未来。国内だけでなくアメリカのメディア企業の取り組みや実情。日米のビジネスモデルの違いなどもまとめられています。
5年後、メディアは稼げるか――Monetize or Die?
- 作者: 佐々木紀彦
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2013/07/19
- メディア: 単行本
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著者がウェブメディアの編集長ということで、ポジショントークはあるものの、紙媒体は一部をのぞき静かに朽ちていく最中にあるので、紙とウェブの融合した時に落ち込む広告費をどうやって稼ぐの、そしてそれを30代が進めていかなければいけないという想いについては、同世代として共感しました。
本の構成は5つの章からなりたってます。
序章:メディア新世界で起きる7つの大変化
本のメインテーマであるメディア未来像のまとめであり著者の予測を書いています。
紙からデジタルが主役になり、理系人材も増え、記者個人の力が強くなり、さらに、個人や企業のオウンドメディアも増えてくる。そして、これらの変化を創れるビジネス・マネタイズに強い編集者が必要となってくる、というもの。
第1章:ウェブメディアをやってみて痛感したこと
東洋経済オンラインにおける取組を通じて、肌感覚で感じたメディア特性を記載。「ウェブは感情、紙は理性」など、なるほど。
第2章:米国製メディアは稼げているのか?
ニューヨークタイムス、FT、フォーブス等におけるデジタル版の取り組みを紹介。メータ制(一部までは無料)による有料課金ビジネスの成功やフォーブスのオープン戦略等
第3章:ウェブメディアはどう稼ぐか?
日米の業界構造に触れてからマネタイズへ話を転換。
広告ビジネスで、安易にアドネットワークを使って広告単価を減らすのではなく稼げる広告を企画する必要がある、有料化もただ記事を読ませるのではなく、付加価値を提供することをしないと読者はついてこないと主張。
第4章:5年後に食えるメディア人、食えないメディア人
ここから急に自己啓発書のような内容。メディア人ではないので蛇足の感じがする。