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【小説】死神の浮力 伊坂クライムサスペンスの真骨頂

「死神の精度」の続編 死神の浮力を電子版で読了

今回は、iPad minikoboアプリで読みました。
紙の本の方が読みやすいと感じますが、慣れの問題が大きいのかもしれません。
kindle paperwhiteのようなe-ink端末も試したいのだけど専用端末買うまでの物欲がわかないんだよなぁ。

 

死神の浮力

死神の浮力

 

 

 人公はおなじみの死神「千葉」

情報部から依頼された対象者を7日間調査して殺すべきか否かを情報部に報告するのが仕事。
短編を連作にした前作「死者の精度」とは違い、長編の書き下ろしとなっております。
 
 
今回の観察対象は、娘を殺された作家・山之辺。
山之辺の娘を殺したサイコパス・本城崇に対する復讐劇を物語の主軸にしています。
 
伊坂幸太郎お得意のクライムサスペンス。
章ごとに山之辺と千葉で語り手を変えることでストーリーが多面的に展開していきます。
伏線の貼り方も伊坂流。前半のちょっと気になるイベントが後半に回収されていく展開は爽快感を感じます。
 
ゴールデンスランバー」や「モダンタイムズ」のような雰囲気もありながら、千葉の独特なキャラクターが娘を殺された事件の悲惨さを和らげてますね。
 
個人的には、前作「死神の精度」の方が色々なエピソードが詰まっていて好きかな。
なんにせよ本作を読む前には、死神の精度は必読ですね。

 

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)