noblog Annex

酒と飯と映画とその他

ブラックジャックによろしくの作者が描く出版業界の不思議「漫画貧乏」

kindleStoreで佐藤秀峰氏の「漫画貧乏」が無料だったのでDL。

 

漫画貧乏

漫画貧乏

 

 ブラックジャックによろしく」の出版社を超えた連載誌変更や海猿著作権騒動など、トラブルメーカーの印象が強い佐藤氏のエッセイ。漫画カテゴリーにいますが8割文章でした。

 
原稿料だけでは赤字になる漫画家の事業構造に疑問を呈し、漫画流通PF「漫画onWEB」を立ち上げに関して細かな心情まで吐露してて興味深く読めます。
システム開発が間に合わずオープンを遅らせたり、出版社だけでなく同業者からも 批判されたり、話題作りのために代表作ブラックジャックによろしくの無料公開を行ったりと、電子書籍業界の黎明期のバタバタとした感じが伝わってきます。
 
2012年3月の作品なので、今でこそ、電子書籍が認知されKindleの個人出版KDPなどが出てきているけど、何もない中で模索するのは相当な葛藤があったのだろうなぁ。
 
(6/1追記)
個人的にも、佐藤氏も指摘するとおり、紙を中心とした出版システムは徐々に崩壊していくように感じてます。
紙から電子書籍に重心が移行していく中、Amazonのような新たなプラットフォーマーが出版社ー取次ー書店を駆逐していくのか、それ以外の新たなビジネスモデルが出てくるのか…
 
音楽業界や映画産業を見ていると、月額制の聞き放題・見放題のサービスがでています。
出版業界もそのような形に移行していくんでしょうかね。

出版状況クロニクル〈3〉2010年3月‐2011年12月

出版状況クロニクル〈3〉2010年3月‐2011年12月