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SIerからビジネスインテグレータになれるのか?

SIerもイノベーション持ちつづけたい - プロマネブログ

 id:getlife さんから返信があったので、返歌をblogで書いてみます。

プロマネブログの主張としては、SIerはリスク回避によるビジネスでは限界がありそれを転換していかなければいけないということ。具体的な転換方法は下記のとおり。

システムインテグレータからビジネスインテグレーションへ

とまあ、今現在意識を変え色々やってるのですけど、オッサンこの先SIerは単純にシステムを構築するシステムインテグレーションから、システムとシステムをつなげ顧客のビジネスを構築するビジネスインテグレーション(BI)に転換するべきだよなあって思ってます。

尖ったベンチャーの技術を複数組み合わせ、ひとつの大きなビジネスとして統合する、そんなビジネスインテグレーションができたらSIerは更に面白くなるだろうなあ。

ブログ主の主張には激しく同意するものの、実現のための発想の転換を組織として行うことにはハードルがあるように感じています。

SIerのビジネスモデルではproject単位での採算管理をして利益を積み上げていくというのが柱で、サービス利用料収入が副収入という形です。

projectが始まる前の開発要員の待機稼動を減らし、projectでのリスク発生を抑えることで利益を最大化させるというもの。
projectの規模が大規模になるほどリスクは大きくなるものの待機稼動が減る効果が高く利益が大きくなります。
また、規模の大小にかかわらずProject運営の手間はあまり変わらないので、SIerはビッグビジネスを目指すように動きます。

対して、上記のビジネスインテグレーションは、尖ったベンチャーの技術をビジネスに適合する形で組み合わせるためには、おそらく実証実験レベルのトライ&エラーの繰り返しをしながら、事業を育てていくことが求められます。

ビジネス化するかわからないものに多額のお金が出ることはない中で、半ば投資的に働きどこかのタイミングで儲ける形に持っていかなければいけないということで、商社に近い動き方になるのかと思います。

 

このように対比して書くと、SIerには「優秀な開発者をスモールビジネスの担当をさせることは機会損失にならないか」というジレンマを抱えることとなります。

特に上位層が優秀な開発者でばあるほど、現業であるSIビジネスに優秀な人材を配置するのではないかと思います。

このジレンマを組織として超えられるかどうか、国内SI事業が縮小していく中で考えていかないとマズイですね。 

 

もしかすると、日揮のようにプラント工事のプロとして世界の様々なプラントでの工事を請け負うという姿を真似るのがSIerの未来なのかもしれません。

イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard business school press)

イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard business school press)

 

 

スモールスタートでのビジネスの参考になりそうな本としては、リーン・スタートアップが参考になりました。